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五輪の書
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妻木です。
久しぶりに宮本武蔵の『五輪の書』を読みました。
実は若いうちにも1度読んだことがあったのですが、驚きました。
同じ本であるのに、自分の中での解釈が全然違ったのです。
前回読んだのは20年前くらい。確か35,6歳くらいだったかと思います。
今はもう60歳近い私ですが、ちょうど宮本武蔵が洞窟にこもってこの記録を残したのも
56~7歳くらいだったといいます。だからかもしれませんが、この書の内容に共感できる部分が多いのです。
基本的には兵法書なので、剣術の戦い方などが記録されているわけですが、
所々に気構えや心構えのような記述がある。
私は鍼灸師ですが、鍼を打つ時の心境ともリンクしてくるのです。
例を挙げましょう。水の巻の中に「観見二眼」という言葉があります。
物事をとらえる時には、全体的にとらえて考える「観」の目と、主体的に考える「見」の目があり、
それらを状況によって使い分けることが重要だということです。(私なりの解釈ですが)
「朝鍛夕錬」という言葉も好きですね。武蔵は毎日の鍛錬を続けることで、50歳になって
ようやく剣術の道、道理を極めたといいます。毎日続けても50歳になってやっと気付けるわけです。
いかに「継続する」ことが大切かということが分かります。
何百年も前の時代に生きていた人、その人の心境に共感できる。
これはとても嬉しいことです。
みなさんもぜひ、本は時間を置いて2度読んでみてください。きっと新しい発見があるはずです。
妻木 充法