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自分の人生を決定付ける「原体験」
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とある講演での出会い
私が尊敬する人物に田坂広志さんという人がいます。
この方はシンクタンク・ソフィアバンクの代表を務めている方で、大学教授などもされています。
経営者やリーダーにとって必要な姿勢や生き方について、よく出版や講演をされています。
先日も田坂さんの講演に出席をしてきたのですが、今回は田坂さんともう1人、西水美恵子さんという方もいて「2人のトークショー」という形で行われました。
テーマは「リーダーシップ」。
私の仕事にもつながる部分が多いと思い、参加してきました。
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田坂広志さん シンクタンク・ソフィアバンの代表。 多摩大学の教授もされています。 |
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続いて西水美恵子さん 元世界銀行の副総裁です。 今回は西水さんのお話がとても印象に残りました。 |
ではその西水さん。
一体どんな方なのかというと、この方はアメリカの大学で教授をされ、その後は世界銀行の副総裁を担当された人物です。
世界をまたぐ大舞台で日本人の女性が活躍されていたわけですね。
そして今回私が特に感銘を受けたのが、西水さんが大学の教授職を辞し、世界銀行の仕事を引き受けた経緯にあります。
「原体験」が仕事と人生を変える
安定している大学教授の仕事。
エリートとしての地位が確約されていた仕事を、なぜ西水さんは辞めたのでしょうか。
そのきっかけは西水さんの「原体験」にありました。
西水さんはある時、エジプトに行きます。
エジプトの地に「死人の町」という貧困地域があり、そこで1人の少女と出会います。
その少女は先進国ではまず防げる“脱水症状”により、西水さんの目の前で命を引き取ります。
すぐそばにはネオン街(都会)がある一方で、失われていく小さな命。
この時、西水さんに衝撃が走ります。
そして「これと戦おう」と決意したそうです。
自分自身に強烈な印象として残る経験が「原体験」です。
自分が仕事に就くときに必要なのは、名誉やお金などではなく、そういった体験が基準になったほうが良いのかもしれません。
実は私にもこういった体験があります。
ただし、とても個人的な深い話になりますので、ここでお話するのは控えます。
機会があればASCのゼミあたりでお話できればと思います。
でも誰でも似たような経験はあるのだと思います。
きっとみなさんにも。
そういった体験を仕事に結び付けることができれば良いと思います。
リーダーは“共感”できる人
さて、今回参加した講演のテーマは「リーダーシップ」についてでした。
西水さんはエジプトで出会った少女に共感したわけです。
そして自ら行動に移したわけです。
これがリーダーにとって大切な要素です。
以前、トレーナー憲章の部分でもお伝えしましたが、共感と同情は違います。
共感には他者を通してそれを「自分の問題」としてとらえ、問題を解決していく姿勢がうかがえます。
まわりの“縁”を大切に
次に、今回の講演では何よりも「縁」の大切さを感じました。
冒頭で述べたように、もともと私は田坂さんの講演会が目的だったわけです。
そこで西水さんという女性に出会い、上記のようなお話を聞き、大きな感銘を受けました。
ここに「縁」のもつ素晴らしさを感じます。
「縁」は我々の日常生活に溢れています。
でもうっかりするとすぐ見落としてしまいます。
それに私たちが気付けるかどうかです。
気付くためには常に勉強を続けることが大切です。
みなさんの周りにも、たくさんの出会いが待っています。
素敵な出会いを大切にして下さい。
西水さんに関するお話は、西水美恵子著『国をつくるという仕事』(英治出版)で詳しく知ることができます。
講演後、田坂さんと西水さんからサインを頂くことができました。
妻木充法