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最高条件と最適条件

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花が咲き出す季節になりました。
花というのは種類にもよりますが、だいたい気温が18℃~20℃、湿度が60%、水分が40%くらいの環境が一般的に良く育つのだそうです。

同じように、スポーツ選手にもパフォーマンスを出しやすい環境があります。
人間の場合、水分・ビタミン・カロリーなどの要素がパフォーマンスに影響すると言われています。
こういった、その種にとって全ての欲求が満たされた最も力を発揮しやすい環境のことを「最高条件」といいます。

では、全ての生き物にとって「最高条件」が与えられている状況が、もっとも好ましい環境なのでしょうか…?

答えは「NO」です。
最高条件は、必ずしもその生き物にとって「最適な条件(最適条件)」ではないのです。

良い土地を与えられ、湿度を一定に保ち、あらゆる害虫を駆除した完璧な状態で育てられた花は、例え咲いても長くは続きません。
逆に、多少の競争があったり、温度や湿度の変化があったり。
そういった最高条件からは少しだけズレた環境下の方が、花は良く育ち、しっかり繁殖もしてくれるのです。自分にとって最高な環境より、ちょっとだけ我慢が必要な、生理的な欲望が全ては満たされないところに、最適な条件があるのです。

これは私たちにとっても同じです。まわりに敵もいない、何のストレスも感じない。
そんな恵まれた環境で過ごす人は、どうしてもその環境に甘えや妥協が出てしまいます。
かえって競争相手やライバルがいて、多少の困難もある。
そういった厳しい状況にいる人の方が努力して頑張るし、よく成長するし、長く成功するものです。

これがある意味、全ての生き物に共通する自然界のルール(掟(おきて))なのです。

みなさんの中にも、今の生活に「あれが足りない!!」とか「もっとこうなっていたら良いのに!!」と感じている人が、恐らくいると思います。でも大丈夫。
ひょっとしたら、実はそれがあなたにとっての最適条件なのかもしれません。

それぞれの環境の中で、あなたらしい花を咲かせてください。

最高条件と最適条件

妻木充法

※今回は2003年9月24日の読売新聞に掲載された「植物界の掟(守恭助)」という記事を参考に書きました。