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医療人としての“想い”と“行動”
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先日私の治療を受けに来た患者さんの話をします。
その方はTMSが海外研修などでお世話になっているアメリカの方でした。
「足が痛いのでちょっと診てくれ」と言われて対応したのですが、私が診た時はすでにパンパンに腫れている状態でした。
「どうしてこうなったの?」と聞くと「階段を昇っている途中に“カクン”となって、1日経ったら段々腫れてきた」ということでした。
本人自体は大したことがないといったような、ケロッとした表情でした。
ところが私が診る限り、どう診てもこれは大ケガです。
足が腫れあがり、曲がらない状態です。
前十字靭帯か、または半月板などのような、膝の内部において大きな故障が起こっている症状だったのです。
この症状を確認し、私は鍼などでのアプローチは行わず、近くの整形外科まで彼を車イスで送っていきました。
さて、そんなことがあったのですが、実は鍼灸師に成りたての頃の私は、おそらく今回のような行動が取れなかったと思います。
かつての私はとりあえず、まずは自分の領域である鍼治療を施してしまっていたはずです。
でも今回の症状のような場合、それは適切な対応とはいえないのです。
この場合、私がやるべきはアイシングなどのような応急処置くらいで、あとはしかるべき病院を紹介してあげることでした。
医療の資格を持っていると、人から頼られるようになります。
そして人から頼られると「何とかしてやらなきゃ」とほとんどの人が思うことでしょう。
その気持ち自体は医療人としてとても大切なことです。
しかし、忘れてはならないのが「患者さんにとってどんな処置がベストなのか」という視点です。
我々は何でもかんでも自分で治せるわけではありません。
西洋医学的な診断が必要な時は、ためらわずにその対応ができなくてはいけないのです。
この点をとりわけ若い、資格を取ってから日がまだ浅い人は見失ってしまいがちです。
医療人として持つべきマインドと取るべき行動があります。
冷静に判断できる人になって下さい。
妻木充法
こちらが膝の構造です。
膝はいくつもの靭帯が重なっており、とても複雑な仕組みをしています。
大きな故障が発生した場合は手術を行うケースも多いです。
スポーツ選手にとっても注意しなければならない場所です。
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