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トレーナーは技術だけでなく、ユーモアを解することや、同情、思いやりも必要なことである
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トレーナー憲章9
トレーナーは技術だけでなく、ユーモアを解することや、同情、思いやりも必要なことである
今回は「ユーモア」について考えます。
ユーモアは単なる笑いとは違います。
単なるおもしろさ、いわゆる“お笑い”ではありません。
深く言うとユーモアは「にもかかわらず笑う」ことが出来る力です。
“苦しい”にもかかわらず笑う。
“悔しい”にもかかわらず笑います。
開き直ってヘラヘラするわけではありません。
自分が直面している困難をしっかり受け止めて、その上でちょっと外側から自分を見て笑うのです。
実はそれがチームの中で生きてきます。
全体を見るような姿勢です。
チーム全体はもちろん、経営する会社やサポーター、社長など、色々な視点から自分(自分たち)を見つめてみるのです。
トレーナーがよくやる失敗の中に「選手の視点に立つ」ということがあります。
これは勘違いしている人が多いですが、トレーナーが選手の視点に立ってしまうと、だいたいの人は失敗してしまいます。
チームは選手だけで動いているわけではないからです。
選手以外にも、コーチ、監督、サポーター、経営者。。。
様々な人が関わって1つのチームが動いているのです。
トレーナー活動をする時もこの点を忘れてはいけません。
この視点が持てると「ユーモア」が分かるようになってきます。
「にもかかわらず笑う」ことが出来てきます。
分かっている上で笑うのです。
分かっている上で笑うわけですから、“能天気”ではありません。
どちらかというと“プラス思考”という言葉が近いかもしれません。
ここまで話してきたように、トレーナーは第三者的にならなければいけません。
選手の気持ちを理解しつつ、でも決して選手に感情移入しすぎない。
例えばサッカーが好きな人がサッカーチームのトレーナーになってしまうと、自分の領域から外れた、例えば戦術なんかに口を出したくなったり、グチを言いたくなったりしてしまいます。
でも本来それはトレーナーの領域ではありませんよね。
ちょっと極論を言ってしまいますが、「トレーナーがやりたい!」とか「選手と一緒にやるぞー!!」とかいう想いが強すぎる人はトレーナーに向いていないのかもしれません。
あえていうなら「人間が好き」
こんな人がトレーナーに向いているのかもしれません。
繰り返しますが、「にもかかわらず笑う」姿勢をもつとユーモアが生まれます。
ユーモアが身につくと、まわりが見えるようになり、心に余裕が生まれてきます。
心に余裕が生まれると、周囲の人の感情とか想いが分かってきます。
そうするとそれが思いやりに変わるのです。
ユーモアのある人になりましょう。
※トレーナー憲章についての私なりの解説は今回が最終回となります。これからは私の日々の活動の中から感じたことなどを紹介できればと思います。
妻木充法
【トレーナー憲章】
一、トレーナーは自ら一番健康でなければならない。
二、トレーナーは、広い意味での知的好奇心が必要である。
三、トレーナーには、決断力やリーダーシップを持つことが必要である。
四、トレーナーには、他人との協調性、自制力が必要になる。
五、トレーナーには公平さ、フェアプレーの精神が要求される。
六、トレーナーは、簡素で清潔な服装をしなければならない。
七、トレーナーには、選手をトータルな人間としてみる高い人間性が要求される。
八、トレーナーは、よい人生観を持つべきである。
九、トレーナーは技術だけでなく、ユーモアを解することや、同情、思いやりも必要なことである。